Fedoraの変更点シリーズ
過去リリース分の記事は、以下のリンクを参照してください。
お伝えしたいこと
Fedora 42のリリースノートを読んで、個人的に気になった項目をまとめます。
公式情報の見方
Fedora 42の変更点は、以下のリンクに載っています。 概要はリリースノートに、詳細情報はChange Setsのページに書いてあります。
Change Setの各サブタイトルのリンクから詳細情報に飛べるようになっています (下図赤枠部)。 詳細を知りたい時に便利なので、こちらも活用ください。
Fedora 42の既知の問題は、以下にまとめられています。
他バージョンのFedoraについて知りたい場合は、以下のリンクを参照してください。
- Fedora Docs - Fedora Linux User Documentation → 右上から該当バージョンを選択してRelease Notesのリンクに移動
- Fedora Wiki - Changes
- Ask Fedora - Common Issues - all - (tag未指定) → ページ上部にて
tagsをf42 (Fedora42) など適切なバージョンに指定
Release Notes & Changes
binとsbinの統合
- Fedora 42 Release Notes - #Unification of /usr/bin and /usr/sbin
- Fedora Wiki - Changes/Unify bin and sbin
Fedora 41以前の構成では、RPMでインストールされた実行ファイルを格納するディレクトリ周りの構成が以下のようになっていました。
Fedora 42以降は、/usr/sbin、/usr/local/sbinもシンボリックリンクになります。
つまり、Fedora 42以降は/usr/sbin, /usr/bin, /bin, /sbinという4つのファイルパスが全て同じ場所を指すようになりました。
実質的に、RPMでインストールされた実行ファイルの格納先は/usr/binに一本化されたことになります。
同じ変更が/usr/localについても行われました。
Fedora41までは以下の構成でした。
Fedora42以降は以下のように変更され、実質的に/usr/local/binと/usr/local/sbinが一本化されました。
rpm以外のシステムインストール (make install等) についてもbinとsbinを迷う必要はありません。
/usr/local/sbin: シンボリックリンク (-> bin)
細かい話ですが環境変数PATHも微妙に更新されていて、一般ユーザのPATHの末尾から/usr/sbinが削除されました。
ただ、Fedora42時点ではまだ随所にsbinが見える状態です。
今後も段階的に移行されていく...のかもしれませんね。
# Fedora 41以前 ## Fedora 41 一般ユーザ /home/endy/.local/bin:/home/endy/bin:/usr/local/bin:/usr/bin:/usr/local/sbin:/usr/sbin # Fedora 42 一般ユーザ /home/endy/.local/bin:/home/endy/bin:/usr/local/bin:/usr/bin:/usr/local/sbin # Fedora 41/42 (su -) /root/.local/bin:/root/bin:/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/usr/sbin:/usr/bin # Fedora 41/42 root (sudo -i) -> cf. `grep secure_path /etc/sudoers` /root/.local/bin:/root/bin:/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/usr/sbin:/usr/bin:/sbin:/bin:/var/lib/snapd/snap/bin
今回の変更により以下のメリットが生まれました。
- パッケージマネージャーは、特定の実行ファイルを
/usr/binに格納するか/usr/sbinに格納するかを迷わなくてよい - ディストリビューションごとに同じ実行ファイルが
/binにあったり/sbinにあったりすることで互換性が損なわれる問題を解決した
Bugs
f42タグ付きのCommon Issuesを確認しましたが、特に気になるものはありませんでした。